育毛剤のODM/OEM製造時に押さえておきたい基本のポイント
肌だけでなく髪の健康にも気を配る人が増えている昨今、育毛剤の市場は拡大傾向にあるといわれ、それを裏付ける数字も出ています。
実は育毛剤は、ODM/OEMで製造するメリットの大きい商品であり、利益率を高く設定できる商品でもあるのです。
化粧品のODM/OEMを考えているのであれば、育毛剤も検討してみてはいかがでしょうか。この記事で基本的なポイントについてお伝えします。
育毛剤のODM/OEMの特徴
育毛剤のODM/OEMには、基礎化粧品やメイクアップ化粧品などの一般的な化粧品とは異なる特徴があります。
育毛剤は安定した需要が見込める
昔から、薄毛や抜け毛で悩む方は一定数おり、流行によって需要が左右されない製品といえるでしょう。男性だけでなく、髪の状態に悩む女性もおり、近年では女性のための育毛剤も登場しています。
社会的な動きで見ると、コロナ禍以降はリモート会議などオンラインでのやり取りが広がりました。
オンライン会議の場合、モニターに映し出された自分の姿を見ることになります。
対面の会議なら自分の姿は見えませんが、オンライン会議の場合、モニターに映った自分の姿を見たことがきっかけで、髪の毛の状態を気にかける人が増えたともいわれています。
一般的に育毛剤は利益率が高い
記事の冒頭で、育毛剤は「利益率を高く設定できる」とお話しました。
シャンプーやトリートメントなど多くのヘアケア製品が出回る中、育毛剤の販売価格設定は高めです。
販売価格帯は数千円から万単位のものまでばらつきがありますが、ボリュームゾーンは6,000~8,000円程度。
育毛剤の場合、高価な原料を高濃度で配合するとバルク代が高くなるケースはありますが、販売価格で調整できるので、十分な利益率を見込めるということです。
医薬部外品として販売できる場合がある
育毛剤の区分には「化粧品」と「医薬部外品」があり、医薬部外品として販売したほうが、メリットがあります。
「化粧品」「医薬部外品」については、薬機法第二条に定めがあるので、簡単にまとめてみましょう。
化粧品は「人の身体を清潔にする」「皮膚や髪を健康に保つ」「容姿を美しく見せる」といったことに使用されるもので、人体への作用がゆるやかなもののこと。
一方の医薬部外品は、「次の目的のために使用されるもの」として「脱毛の防止、育毛または除毛」と明記されています。
なおかつ「医薬品と同じような目的で使うもののうち、厚生労働大臣が指定したもの」。
つまり、医薬品に準じた扱いになるため、化粧品では宣伝文句として使うことのできない「育毛、脱毛の予防」といった効果や効能を謳えるのです。
ただし、前記述にある通り、厚生労働大臣の指定が必要で、製造や販売にあたっては「医薬部外品製造業許可」もしくは「医薬部外品製造販売業許可」の取得が求められます。
これを新規参入で申請するのは、それだけでもハードルの高いことですが、すでに許可を取得しているODM/OEMに依頼すれば、ご自身で取得する必要はありません。
育毛剤のODM/OEMの流れ
それでは、育毛剤をODM/OEMで製造する場合の流れについて確認しておきましょう。ODMの場合は企画段階からメーカーに依頼できますが、OEMメーカーの場合は、製造だけを依頼することになります。
ヒアリング
育毛剤製造の第一歩は、ODM/OEMの担当者との打ち合わせです。
どのような育毛剤を作りたいのか、使いたい成分は何か、ターゲットやブランドイメージをどう考えているか、想定している販売価格や販売方法はどんなものかなど、製品作りに向けて担当者が丁寧にヒアリングをします。
ヒアリングをスムーズに進めるためにも、育毛剤に対する自分たちの思い、コンセプトなどの企画をしっかりとまとめ、要望として伝えられるようにしておきましょう。
ターゲットは男性なのか女性なのか、年代はどのくらいか、具体的にどのような悩みを解消する商品なのか、明確であればあるほど、作る育毛剤のイメージがしやすくなります。
企画開発・サンプル提案
ヒアリングで製造する育毛剤の方向性がかたまったら、それを実現するために必要な原料や処方を検討し、サンプルを製造し、提出してくれます。
サンプルが出たら、色や香り、使用感などが自分たちの意図に沿ったものになっているかどうかを確かめてください。
改善してほしい点があればODM/OEMの担当者と打ち合わせをしながら、納得できるサンプルを作り上げていきます。
開発・パッケージデザイン
サンプルにOKが出たら、処方をかため、パッケージデザインを考えていきます。
ターゲットを見据えて、検討していきましょう。
依頼するメーカーによって多少の違いはありますが、処方や発注数が決まれば、正式な見積もりが提出されます。
生産・品質管理
契約がすむと、生産が始まります。
育毛剤は、医薬部外品であることがほとんどですから、品質管理にも細心の注意を払いながらの製造です。
流通・販売
製品が出来上がると、納品となります。
市場に向けて売り出していきましょう。
医薬部外品の指定を受けていれば「脱毛予防」などの効能を謳うこともできます。
流通させるにあたっては、美容院や理容室に協力してもらい、モニターを募ることも方法のひとつかもしれません。
育毛剤をODM/OEMで製造するにあたっての基本的なことをお伝えしました。
一般的に育毛剤は利益率が高い製品ですし、育毛剤製造の実績を積んでいるODM/OEMメーカーに依頼すれば、医薬部外品に関する手続きも不要です。
育毛剤OEM/OEMのメリットや特徴を押さえ、ぜひ自分たちの思いを詰め込んだ製品を作り上げていきましょう。