リップクリームのODM/OEM製造時に押さえておきたい基本のポイント
唇を乾燥から守ってくれるリップクリーム。
ODM/OEMを利用すれば、独自の処方によるオリジナル製品の製造が可能です。
原料や効能にこだわったリップクリームの製造をするために必要なのは、基本となるポイントを知っておくことです。
決して難しいことではありません。この記事で知識を身につけていきましょう。
リップクリームの形状の違い
リップクリームは、乾燥から唇を守るために塗るクリームのことですが、形状にはいくつかのタイプがあります。
代表的な形状について見ていきましょう。
スティックタイプ
リップクリームの定番ともいえるタイプです。
筒状の容器に固形のクリームを入れたもので、容器の底についたダイヤルを回して出し入れします。
スティックから繰り出すクリームの量を調整しやすく、そのまま唇に塗れるのが特徴です。
荒れや乾燥など、唇の状態が気になったときに、さっと取り出して塗れる手軽さがポイントです。
バームタイプ
バームとは、スティックほどではないものの、ややかために練ったクリームのことを指し、ジャーと呼ばれる平たくて口の広い容器に入っています。
特徴は、指先に適量をつけて唇に塗ること。
指先の体温によってかためのテクスチャーがやわらかくなり、唇になじみやすくなります。
チューブタイプ
チューブタイプは、容器にチューブを利用したものです。
クリーム状のやわらかいテクスチャーで唇になじみやすく、スティックタイプのように直に唇に塗ることもできます。
塗りやすさ、唇へのなじみやすさという点で、スティックタイプとバームタイムのメリットを生かしたのがチューブタイプといえるかもしれません。
リップクリームの効能や特徴の違い
形状にも種類がありますが、効能や特徴でもリップクリームを分類できます。
代表的なものが、次の4つです。
薬用リップクリーム
薬用リップクリームは、厚生労働省が効果・効能を認めている有効成分を配合した、医薬部外品のリップクリームです。
乾燥のほか、荒れやひび割れから唇を守るためのリップクリームで、そのための有効成分を含んでいます。
皮膚の薄い唇はそもそも乾燥しやすいのですが、特に湿度が下がる日本の冬は、皮がむけたり、ひび割れたりという症状に悩まされがちです。
薬用リップクリームは、そんな悩みを解消してくれます。
色付きリップクリーム
リップクリームは基本的に無色ですが、色付きリップクリームは、唇を乾燥から守るという機能以外に、赤、ピンク、オレンジなどの色付き効果をプラスしたものです。
口紅ほど濃く色はつかないものの、潤った健康的な唇を演出してくれます。
口紅やリップグロスの代わりとしても便利です。
UVカットリップクリーム
UVとは紫外線のことで、紫外線から唇を保護する機能を持たせたのが、UVカットリップクリームです。
「薬用リップクリーム」の項目でも簡単に触れましたが、唇はとても皮膚が薄く、ダメージを受けやすい部分。
紫外線の皮膚への影響はさまざまに研究され注意が呼びかけられていますが、お肌のUVケアと同じように唇のケアができるように開発されました。
オーガニックリップクリーム
オーガニックリップクリームは、化学的な成分を使わず、自然由来の素材を原料として作られリップクリームです。
色付きのものもありますが、その場合も天然色素が使われています。
化学成分にアレルギー反応を起こしてしまう人や、敏感肌の人に人気です。
リップクリームのODM/OEMの流れ
では、リップクリームをODM/OEMで製造する場合、どのような流れで進んでいくのでしょうか。
細かい部分は依頼するメーカーによって若干異なることもありますが、ここでは基本的な流れについて説明します。
なお、ODMでは企画段階からメーカーが参加しますが、OEMの場合はメーカーは生産の工程のみを行います。
まずは、どのようなリップクリームを作りたいか、企画を立てるところからスタートします。
先ほどお伝えした形状や効能も含め、成分や香りはどうするか、どんな層をターゲットとするかなど、作りたいリップクリームのイメージができるように、具体的な言葉にしながらコンセプトを立てていきましょう。
そのコンセプトをODM/OEMの担当者に伝え、共有することが第一歩です。
メーカー側からは、よりよい製品作り、売れる製品にするための提案やアドバイスをもらえることもあるので、コミュニケーションをはかりながら、企画をかためていきましょう。
なお、ODM/OEMメーカーを選ぶ際は、リップクリームの製造実績があるか、使いたい原料が調達できるか、こちらの要望に柔軟に対応してくれそうかといったことも含めて検討することが大切です。
あらかじめ原料を保有しているメーカーであれば、その後の話もスムーズです。
製造するリップクリームについて、お互いの共通認識が持てたら、OEM/OEMメーカーは原料を選び、試作品を製造して提出します。
唇への塗り心地や香りは希望通りか、使いにくい点はないか、容器は安全に使えるかなど、さまざまな観点から検証する大事なステップです。
ここで妥協すると、自分たちの思いとは異なる製品が出来上がってしまいます。
お互いに協力して改善を加えながら、納得できる試作品を仕上げていきましょう。
試作品にOKが出たら、ODM/OEMメーカーは、それをもとに処方を決定します。
使う原料や製造数量が決まれば、製造コストの正式な見積もりの提出も可能です。
実際の製造に入る前に見積もりを出してもらい、スケジュール等も含めて確認してください。
ここまですべてのことに合意できたら、いよいよ製造、出来上がった製品が納品されるという流れです。
リップクリームをODM/OEMで製造したいというときに押さえておきたい基本的なことをお伝えしました。
ひと口にリップクリームといっても、その形態や効能は多種多様です。
自分たちが作りたいのはどんなリップクリームなのか、しっかりコンセプトをかため、ODM/OEMメーカーと協力しながらリップクリームを完成させましょう!